イタリア北部のレッジョ・エミリアという小さな都市で第二次大戦後に始まった幼児教育の理念。
1991年ニューズウィーク誌「世界のベストスクール」という特集で取り上げられ、一躍世界の注目を集めた。
子供はすべて違う個性を持ち、出来ないものではなく出来る事に目を向けて才能を伸ばしていく。
レッジョ・エミリア教育は下記8つの柱から成り立っている。
1.ペダゴジスタとアトリエリスタ
各学校に、ペダゴジスタという教育主事とアテリエリスタという芸術専門教師が1名ずつ所属するのが大きな特徴。
2.マテリアル(素材)を自由に使って表現
クラスとアトリエにはさまざまなマテリアルが常備されいる。教師とアテリエリスタが問いかけをベースにした学習方法により、こども達がマテリアルを自由に使い、発想・表現できるようにしていく。
3.「子ども達の100の言葉」
創設者の1人であるロリス・マラグッツィ氏の詩で、レッジョ・エミリアの理念とも言える。レッジョ・エミリアでは、子供の概念、想像力を100通りの表現方法(絵、紙、粘土、ワイヤー、自然素材、詩、音楽、ダンスなど)を通して表す手助けをしている。
4.ドキュメンテーション:音声記録(動画記録)で子供の発想をきめ細かくキャッチ
日々、子どもがどう反応し、どういう発想を持ったかを音声記録(動画記録)し、プロジェクトの内容を子どもの成長記録にあわせて作り上げていく。この細かい記録やプロジェクトがどのように形成されたかを写真付きの文章にし、パネルに掲示して子供と保護者と共に振り返り、学んだことを確認する。
5.グループワークによるプロジェクト進行
課題についてグループで討議し、発想や経験を再検討することによってより良い理解を得て行く。
6.コミュニティサポート(親の参加)
保護者はプログラムの極めて重要な要素として参加を期待されている。学校での活動や保育、行事など様々な事柄に加わる。
7.「環境が第三の先生」
子供が持つ可能性を引き出すことができる環境とは何か?を常時考える。その象徴的なものに“アトリエ”と呼ばれる創造空間がある。十分に用意された素材が綺麗に分類され、配置されている。そして、フィールドトリップを重ねて、住んでいる周りの環境からも要素をとり入れる。
8.コラボレーション
子ども、教師、保護者が三位一体となり、全ての参加者が共同して活動の方向性や、企画に参加する。環境もいれると、四体になる。